『FROZEN TIME』

http://www.frozen-time.jp/
主人公は美大の学生。彼は失恋のショックのために眠れなくなり、夜のスーパー(Sainsbury'sだ!懐かしー)で働くようになる。つまらないことをしている間は時間が進まないもので、意識して時間を無視するようにしているうちに、時間を自由に止められるようになる。スーパージェッター。
時間を止めている間に、スーパーの女性客の服を脱がせて裸体をデッサンするという、中二病の妄想を具現化したような設定。ただし、彼の場合はあくまでも美の対象として女性の裸体を見たり描いたりするだけで、それ以上のことはしない。
起承転結の「転」のあたりで、Frankie Goes To Hollywoodの「The Power Of Love」が。これまた懐かしい。だがこのシーンにちゃんとマッチしていたし、こうして聴くと結構いい曲だなあ。その次にかかったのが、空耳アワーの「あのイボ痔、ああぁぁ」の曲で、シリアスなシーンなのに笑いそうになってしまった。
設定上、主人公以外は静止していることが多いのだが、CGっぽくないし映像はなかなか綺麗。カメラワークも面白くて、現在の日常のシーンから子供時代の回想にシームレスに移ったり、『台風クラブ』みたいにアパートの階を駆け上がるところをワンカットで撮っていたりするのが効果的。
基本的にコミカルなラブストーリーで、観ているほうが照れてしまうほどの予定調和的な結末なのだが、たまにはこういうのもいい。


それにしても、真っ昼間からミニシアターで映画を観られるとは、何たる幸せ。シアター・キノの会員にもなったので、これからは一回千円で観られるし。