リン・ディン『血液と石鹸』

血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット)

血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット)

ベトナムアメリカ作家による、掌編集。長いものでも10ページくらいしかないので、移動中に読むのに重宝した。
気軽に読めるのだけれど、短い中にも意外なトリックやブラックユーモアがあって、読みごたえがある。最初に収録されている短編など、作者の出身を考えるとものすごい自虐ネタかとも思える。
地名や人名もベトナム語のものが多いのだが、英語圏の文化にどっぷり浸かっているからか、こんなに短い話なのに短期記憶にキャッシュされなくて難儀した。ふだん翻訳ものを読まない知人が、欧米人の人名が覚えられないから海外作品は難しいと言っていたが、その気持ちがちょっとわかった。