科学がSFを超える日

科学がSFを超える日―萌え萌え未来科学講座―

科学がSFを超える日―萌え萌え未来科学講座―

たまには萌え本でも読んでみるかな!と思ったのだけど……これはわざわざ買って読む価値はない、と断言できる。
科学的記述に関する誤謬はもとより、誤字脱字、レイアウトのミス、中には日本語変換の途中で確定してしまったかのような誤字まである。せめて絵で萌えることができれば少しは救われたかもしれないけれど。
一応、軌道エレベータースペースコロニーといったテクノロジーについて、小説だけではなく漫画やゲームも含めて関連するSF作品を採り上げている。けれど、それらのSF作品に妙な偏りがあり、80年代以前のSF小説か日本のアニメに偏重しているきらいがある。たぶん本文を書いているのはほんの数人、もしかしたらたった一人だけということも考えられるが、筆者(達)はサイバーパンクで翻訳SFを読むのを諦めたクチなのかもしれない。
「SF人名事典」なるものもあるが、独り善がりで空虚な内容。作家のゴシップや作品の本質を理解していないことをはぐらかすための軽口に終始しており、これから読もうとしている人に薦めようという意志が感じられない。悪ノリにもほどがある。