ジョー・R・ランズデール『ババ・ホ・テップ』

現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ランズデールはたまたま『モンスター・ドライヴイン (創元SF文庫)』を読んで、なんじゃこりゃと思いながらも面白くて止められなかった。だからこの作家はB級ホラーなんだという刷り込みがされてしまい、『ボトムズ』などはアンテナに引っかからなかったので、日本でもわりと評価の高いメジャーな作家であったとは不覚にも知らなかった。
そういう状態でこの短編集を読んでみたけど、ああ、こういう作家だったのか。たしかに解説にもある通り、ジャンルはごたまぜのように見えて、通底する根っこのようなものがある。
どの短編も面白いし上手いし、構成の良さもあってこれぞ短編集という感じ。過剰なブラックユーモアや大げさな比喩などが、多くの作品で舞台となっている田舎の雰囲気に合っているし、ちょい出の脇役も含めて人物が魅力的。
ボトムズ』くらいは読んでおくかな。ドライヴイン・シリーズも続編が2つあるらしいので、それらも読んでみたい。