デンデラ

これはぜひ観たいと思っていたのだけど、映画館側が客層を過剰に意識したのか、毎日朝イチの回しかやらない。そろそろ終わってしまいそうなので、早起きして観に行った。
日曜日とはいえ朝だから空いてるべえと思ったら、映画館は親子連れでもう一杯。あーちょうど今はお子ちゃま映画が重なっているんだった。世の親たちは大変だなあ。
とはいえあえてこの『デンデラ』をチョイスする親子連れはいなくて、このシアターだけ明らかに客層が異なっており、平均年齢はたぶん60歳以上。中にはすでに鬼籍に入っている客もいたという。
しかし、早起きした価値はあった。倍賞美津子山本陽子は前から芯の強い役どころが多かったから違和感がなかった。だが浅丘ルリ子草笛光子は若い頃のイメージとは違って非常にタフな役をやっていて、これが見事にはまっている。流石というしかない。
姥捨ての掟を生き延びた老婆たちが村人に復讐するという復讐譚から、熊の出現によってストーリーの方向が変わってしまったけれど、もしそのまま村を襲撃に行ったらどうなっていたのだろう。本人たちは「一度は死んだ身」と言うものの、いざ肉親や友人と対面したら?そういう意味では、熊に救われたともいえるのか?あれ、なんか今になって府に落ちなくなってきたぞ。