山本直樹『レッド』6

レッド(6) (KCデラックス)

レッド(6) (KCデラックス)

いよいよ舞台は山岳ベースへ。そして番号つきの登場人物たちの残り日数が着実に短くなっていく。番号といえば、「赤城」にはまだ番号がついていない。付番は連載開始の時点で、ということなのかな。この作品世界で言うところの「赤色軍」と「革命者連盟」の違いが際立ってきており、それぞれのリーダーの気性がセクトの特徴にそのまま反映されているように見えるのも面白い。
山岳ベースの内部が、映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」のそれにそっくり。そのせいか、説得力というか臨場感がある。
5巻同様今回も巻末に「架空対談」が収録されていて、これがまたとても良い。「天城」は実はそんなに美人ではなかったとか。総括をする側の人たちは本当は善意に満ちていて、される側の人たちを心から慮っているからこその行動だったなんて、思ってもみなかった。