森奈津子『魔女っ子ロージー』

魔女っ子ロージー (【徳間文庫】)

魔女っ子ロージー (【徳間文庫】)

エロは控えめだけれどもやたらとアッパーでギャグがてんこ盛り。
表題作よりも、中編「踊るギムナジウム」がよかったな。『風と木の詩』と『トーマの心臓』と『ポーの一族』(「小鳥の巣」)をごたまぜにしてミュージカルにしたような感じだなあと思ったら、そのとおりのことを作者があとがきで書いていた。
それにしても、いわゆる「本音と建前」を様式化・システム化するためにミュージカルという表現方法を発達させた文明、なんていうアイディアが説得力を持って読者に訴求できるとは、SFというジャンルの懐の深さに改めて感心してしまった。