フランク・ティリエ『死者の部屋』

死者の部屋 (新潮文庫)

死者の部屋 (新潮文庫)

『シンドロームE』がよかったので。発表順ではこの『死者の部屋』のほうが先で、リューシーはまだヒラの警官。これら2作の間に未訳の長編もあるらしい。
しかしこの作者、血なまぐさい描写が上手い。ただストーリーテリングはやや強引なところがあって、読者しか知りえない情報のはずなのに登場人物がすばらしい洞察力でもって察知してしまったりするが、まあそこはご愛嬌。
後半バタバタして一気に畳み掛けすぎたきらいはあるけれど、面白かった。