伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』

屍者の帝国

屍者の帝国

もっと堅い内容かと思っていたら、これはまっとうなエンターテインメント。歴史上の人物もフィクションの登場人物も時代を無視して大活躍。もう何年も前だけど、『未來のイヴ』を読んでおいてよかった。『フランケンシュタイン』を読んでおかなかったのが悔やまれるが。
伊藤計劃が書いたのは冒頭のほんの20ページほどではあるけれども、このコンビが『ディファレンス・エンジン』を書いたとしたらこうなるだろうなと思った。文中でクエスチョンマークもエクスクラメーションマークも排しているのは、伊藤への敬意か。
ただ、言語の問題に帰着してしまうというのは、仕方のないことなのかな。この点だけは、ちょっと残念。