ジェイムズ・ボーセニュー『キリストのクローン/覚醒』

キリストのクローン/覚醒 上 (創元推理文庫)

キリストのクローン/覚醒 上 (創元推理文庫)

キリストのクローン/覚醒 下 (創元推理文庫)

キリストのクローン/覚醒 下 (創元推理文庫)

あ゛ー……一作目の冒頭にあった作者の言葉の意味は、こういうことだったのか。二作目も完全に読み違えていたわけだけれど、これはまあ作者のミスディレクションにしてやられたということだな。
上巻のかなり早い段階で読むのが苦痛になってきたのだけど、なんとか耐えて最後まで読んでよかった。ある意味、この三部作の真の価値はこの三作目の解説にあり、その解説に書かれていることは、本編を読んでからでないと理解できないだろう。
しかし、オレもまだまだ修業が足りないな。いち小説としてこの作品を高く評価するわけではないけれども、教養として、また異文化への耐性と寛容を身に付けるためのテキストとして読んでおいてよかった。でもこの作者の小説は二度と読まないけどね。