ユービック:スクリーンプレイ (ハヤカワ文庫SF)
ディック自ら書いたものの、映画そのものはお蔵入りとなってしまった脚本。
さすがに作者本人が書いただけあって、原作の雰囲気が継承されててよい。映画の脚本のくせに、地の分の描写がいちいち文学的で、決して映像的ではないところがディックらしいか。
ラストが、原作のあの印象的な文章ではなく、希望を持たせるものになっている。