現代SF1500冊 乱闘編 1975―1995

現代SF1500冊 乱闘編 1975―1995

大森望が翻訳した小説は結構読んでる(ベイリー、ディック、ウィリスなど)んだけど、評論は肌に合わない。妙に軽いノリと内輪ネタも嫌いなのだが、特に巻末の「翻訳SF出版年表」のように、資料価値はあるので買ってみた。
やっぱり読んでいてイライラするところもあるし、★マークによる評価に納得できないものもある。SFの範疇にロールプレイングゲームやミステリが含まれるのはいいとしても、ドラクエはSFじゃないと思う。FFなら、特にIV以降は、SFといえるだろうけど。『姑獲鳥の夏』(量子力学に関する蘊蓄は抜きにしても)と『魍魎の匣』がSFというのには同意するが、他の妖怪シリーズの作品はそれほどSF度が高くはないと思う。肌に合わない理由は、「SF」の定義が自分とは大きく異なるからかもしれない。
それでも、読んだはずなのにきれいさっぱり忘れていて再読したい本や、未読で読んでおきたい本もいくつかあった。
以下、再読しなければならないリスト。
バリントン・J・ベイリー全部
ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』
イアン・ワトスン《黒き流れ》三部作
K・W・ジーター『ドクター・アダー』
そして、読みたいリスト。
スタニスワフ・レム『完全な真空』
大江健三郎『治療塔』
椎名誠『アド・バード』
日本人が書いたSFは見事に抜け落ちているので、少し読んでみよう。