ヴィンチェンゾ・ナタリ監督『NOTHING』

公式サイトには「サスペンス」と書いてあったのだが、コメディだった。
思ったものをなんでも消してしまえる能力を偶然身につけた2人の男(俳優は2人とも『CUBE』にも出ていた)の話。ものが消えていく一方なので、画面がどんどん白一色になっていく。
結局こうなるしかないよなあ、という予測可能なストーリーでちょっと物足りなかった。ギャグもあまり笑えなかったし。ただ、こんなにセットが少ない映画というのは珍しいのでは。
『CUBE』もそうだけど、この監督はひとつのアイディアを徹底するのが好きらしい。消去できる一方で決して復活することはないとか、一度決めた原則を貫く姿勢には好感が持てる。しかも少ない予算で作れそうな設定で。

エンドロール後に、2人の前に馬?人?の集団が襲ってくるというのが音と2人の表情だけで表現されるが、これはどう解釈すべきか。最初に家以外を消したときに、電気が使えたりケーブルテレビが映っていたりしたことから、全てのものを消したわけではなかったのかもしれない。