フューチャー・イズ・ワイルド

フューチャー・イズ・ワイルド

フューチャー・イズ・ワイルド

ディスカバリー・チャンネルの同名番組を観て面白かったので、読んでみた。
去年の冬に読み始めたが途中で長期出張が入ってしまったため、年をまたいでしまった。
未来の地球の地勢がどうなっているかは、たぶんこの本に書いてあるとおり、かなりの精度で予測できるのだろう。ただ、そのような地質学的変化に対して生物がどう進化するかは妄想の域を出ないのではないかと思いながら読んでいた。
だが、出張中に現地で読み始めた(まだ読んでいる途中だが)『生命 最初の30億年―地球に刻まれた進化の足跡』によって、ちょっと考え方が変わった。考えてみれば当然だが、地勢が変われば気候も変わるし海水や大気の化学的組成までも変化する。この本は、そうした総合的な変化に生物がどのように適応したり(あるいはできなかったり)新しい形質を獲得したりし、また環境と相互作用していくのかを外挿することの科学的意義を示そうとしているのだろう。
ここに登場する未来の生物の生態はどれも驚くべきもので、一見すると奔放すぎる想像力が生み出した絵空事としか思えないが、現在の生物だってじゅうぶん驚異的だ。