ダグラス・アダムス『宇宙クリケット大戦争』

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)

とっくに出ていたのに知らなくて、あわてて買ってあわてて読んだ。
前二作と比べて評判はあまり良くないらしい。確かに派手さはあまりないけれど、小ネタも面白いし伏線も効いているので、結構好きだが。
原題が『LIFE, THE UNIVERSE AND EVERYTHING』であることからすると、作者はこれでこのシリーズを終わらせるつもりだったと思える。一応、「 42」の解答もちゃんとあるし(ファンが納得するかどうかはともかく)。
空を飛ぶ秘訣はいかに落ちることに気がつかずにいられるかということだとか、集まる人数も時間も料金も常に絶対ではないという数の非絶対性に基礎を置く「レストラン数論」とか、とにかくバカバカしくていい。
訳者のあとがきによると、残り二作も翻訳されるそうで、これは目出度い。
あと、収穫としては、かつて日曜の昼間などテレビで見るとはなしに見ていたもののずっと謎だったクリケットのルールがやっとわかったこと。打者はアウトになるまで何度でも打つことができるし1イニングは十人アウトになるまで続くし、最低でも3イニングあるとくれば、そりゃ一試合に何日もかかるわけだなあ。