ジョージ秋山『アシュラ』

アシュラ (上) (幻冬舎文庫 (し-20-2))

アシュラ (上) (幻冬舎文庫 (し-20-2))

アシュラ (下) (幻冬舎文庫 (し-20-3))

アシュラ (下) (幻冬舎文庫 (し-20-3))

社員 A「ジョージ秋山って知ってる?」
社員 B「アシュラ?」
社員 A「まさにそれ」
みたいな会話が普通に交わされる会社というのもいかがなものかと思うが、それはそれとして、おれ的にはジョージ秋山といえばこれか『シャカの息子』、もしくは『花のよたろう』。
といいつつ、この『アシュラ』は学生時代に古本屋で手に入れた二色刷りの単行本の上巻だけしか読んでいなくて、ずっと気になってはいたのだ。そんなところに上記の会話が交わされ、調べてみたら最近文庫本で出たということで即購入したのであった。
上巻は確かに記憶にある通り鬼気迫るものがあってとても面白いのだが、下巻は急激にパワーダウン。ストーリーが散漫になってあっちこっちに話が飛ぶし、整合性もなくてかなり目茶苦茶。まあ、この時代の少年漫画はだいたいそういうものだったような気もするが。内容が内容だけに、社会現象になったり悪書扱いされたりしていたと思うので、その影響もあるのかもしれない。
長年気になっていた結末が読めただけでもよしとするか。