泉昌之『芸能グルメストーカー』

芸能グルメストーカー

芸能グルメストーカー

タイトルはアレだし、カバー絵もやる気なさげ。それでも、泉昌之テイストは変わってないのは嬉しい。主人公は本郷播だし。
アイドルだの女優だのがインタビューなどで語った行きつけの店に実際に行って同じものを食べるという、ただそれだけの漫画。連載していたのが下世話雑誌のBUBKAなので、個々の話の結論もやはり下世話なものになるのだが、目線が男子中学生のそれなので、ある意味イノセントというか。同じ芸能人いじりでも、ナンシー関とはまたちょっと違った切り口だ。
ターゲットにされているアイドルや女優たちに対しては個人的にはほとんど興味はないのだが、彼女らが好む店や食べ物の嗜好から人となりを半ば強引に決めつけてしまうその論理展開には、思わず納得してしまう。店や料理についてはちゃんと客観的に、時には厳しい評価もしていているのだが、彼女らに対してはおおむね好意的で、読んでるほうもつられて彼女らに好意を持ってしまったりする。矢田亜希子の好物が実はファミレスなみのお子様味だったことを受けて、「心身共に実はまだ子供な女なんだ!!」とした上で、「矢田亜希子はオトナの女に変ぼうするかはたまた第2の川島なお美化するかどっちかだ!!」と結論づける。こういうところが上手いよなあ。