「俗物図鑑の本」

会社の近くにまったくやる気の感じられない古本屋があるのだが、開いているところを滅多に見たことがなかった。今日は珍しく開いていたので寄ってみたら、案の定店の中はカオス状態。棚に収まっているよりも適当に平積みされている本のほうが断然多いし、しかも全然分類されていない。そして、店番がいない。
ところが、そういう古本屋にありがちなことに、面白い本が結構多かった。文庫は少なかったけど、早川の銀背が何冊かあったし、みぎわパン山田花子丸尾末広蛭子能収など、80年代の青林堂の単行本はほぼ全部あったんじゃなかろうか(何故か花輪和一のはなかった)。
これは記念に何か買わねばと思い物色したところ、こんなのを発見。

数回声をかけてやっと現れた店主は、意外にも同年代。本に値札は貼っていなかったのだが、その店主は定価(1200円)を確認すると、「600円でいい?」と訊いてきた。売る側から値段を訊かれたのは初めてだが、まあ半額ならいいだろうと思い承諾した(後でネット・オークションの相場を調べたら、2千円以上だった)。埃まみれだったけど中身はシミもヤケも少なくて、状態はわりと良かった。一応初版で、帯もついてる。
この本が出た当時は筒井作品の映画化ラッシュだったような気がするが、その時は金がなくて買えなかった。なんとなく敷居の高い「大人」の世界のような気がして気後れしていたというのもあるんだけど、今読むとただの悪ノリ。
それにしても、山本晋也末井昭巻上公一南伸坊上杉清文…。すごい顔ぶれ。