黒体と量子猫

黒体と量子猫〈1〉ワンダフルな物理史 古典篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

黒体と量子猫〈1〉ワンダフルな物理史 古典篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

黒体と量子猫〈2〉ワンダフルな物理史 現代篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

黒体と量子猫〈2〉ワンダフルな物理史 現代篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

題名がいいのと、小説や映画とからめて科学理論を説明するという方法が面白そうだったので、読んでみた。
科学ノンフィクションとしての内容はそれほど難しいわけではないけれど、サイモン・シンの『ビッグバン宇宙論』のように、科学者のエピソードは面白い。しかし、あいまいだったり正確ではない記述が散見されるのが気になる。
また、アメリ物理学会の会員向けの月刊誌に執筆していたコラムをまとめた本だからか、視点が過分に西欧的であり、政治的意図を勘ぐってしまいたくなるような書き方をしているところもあり、非常に残念。