よしながふみ『あのひととここだけのおしゃべり』

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

たいとるがひらがなだらけです。
よしながふみは、マンガの作風からすると意外だが、ずいぶん饒舌のようだ。とにかくよくしゃべっている。主にマンガ家同士の対談とはいえ、みんなマンガファンでもあるわけで、普段は滅多に聞けない女性マンガファン同士のおしゃべりを聞いているようで、なかなかよかった。
全然知らなかったのだが、三浦しをんという人は、鋭い発言が多くてちょっと興味を持った。また、『ONE PIECE』が読みこなせないとも言っていて、これはすごくよくわかる。いや、自分も実際に読みこなせなかったということではなくて、読むまでもなく、ちっとも面白いとは感じないだろうということを確信をもって言えるのだ。よしながふみは、『DRAGON BALL』を読んでいないと、ジャンプ誌独特の世界におけるルールがわからないのでは、というフォローをしているのだが、それは違うんじゃないだろうか。世間の多くの人はこれを読むときっと面白いと感じるのだろうなあということは理解できるのだが、自分は根本的なところでその面白さをちっとも面白いと感じないということも予めわかっている。例えばラッセンとかヒロヤマガタとか、そもそもそこに美が存在しないことが予めわかっているのに、あえて観賞しよう理解しようなどとは思わないのと同じように。
あと、やはり萩尾望都との対談は面白い。「小谷真理ちゃんに聞いてみよう」なんて、ちゃんづけで小娘扱いですよ。さすがです。