テッド・チャン三昧

S-Fマガジン 2008年 01月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2008年 01月号 [雑誌]

短編が2つ、エッセイ、インタビュー、ケリー・リンクとのツーショット写真…と盛りだくさんな内容。
短編はどちらも同じような着想(未来は決定論的であり、よって自由意思は幻想である)を元にしているのに、読後感は正反対だ。特に「予期される未来」は、同じようなテーマの小説は何度か読んだことがあるものの、読後の衝撃度はダントツだ。わずか2ページだが、一字たりとも欠如も無駄もない、完璧な小説。大森望テッド・チャンを訳すというのは意外だが、違和感はなかった。
その大森望のコーナーで、『あなたの人生の物語』のamazon.comのカスタマーレビューをジョン・C・ライトが書いているというので見てみた。ライト自身の評判を落としかねないシロモノではあるのだが、さらにこのレビューにコメントというか反論があり、その名前が「J.Kessel」となっている。これってもしかして、『ミレニアム・ヘッドライン』のジョン・ケッセルだったりするのか?
さらに、若島正による、ベスターの「ピー・アイ・マン」についての愛情にあふれたコラムもある。もひとつおまけに、「解体者としてのよしながふみー二十四年組の系譜とポスト決断主義」なんていう評論まであり、個人的にこの号は超お買い得だった。

あと、

S-Fマガジン 2007年 12月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2007年 12月号 [雑誌]

も買ってある。
とりあえず、世界SF大会のレポートと、ケリー・リンクのインタビューを読んだ。
予想どおり、ケリー・リンクは普通の人だ(悪い意味ではなく)。当たり前だが、作品が変だからといって、作者も変だとは限らないという。