星野之宣『2001夜物語』原型版

2001夜物語 原型版 上 (光文社コミック業書"SIGNAL")

2001夜物語 原型版 下巻 (光文社コミック業書"SIGNAL")

クラークが…というわけではなくて、出張の前に読みかけていたのを読み終えたところ。
値段が値段なだけに、買うのを躊躇っていたが、ポイントを駆使して結局半額程度で買えた。上巻の冒頭にあるカラーのピンナップを見ただけで、元をとったような気分になる。
ちゃんとカラーページが全部再現されているし、ペンや筆のタッチまでも目視できるような大きさで紙の質も良い。最初に双葉社から出た単行本は紙質が悪いのか、そろそろ判読が困難なレベルにまで劣化してしまっていたので、これは嬉しい。
その双葉社のほうと照らし合わせたところ、「楕円軌道」がこの原型版には収録されていない。発表された時期が他の作品よりもやや早いようだし、ちょっと雰囲気も異なるので、『2001夜物語』のシリーズには本来含まれていないのかもしれない。
下巻には作者によるあとがきがあり、これがまた面白い。「芸のためならニュートンも泣かす」だって。
チラシによると、全三巻のSF作品集が出るらしいが、もうすこし消費者に優しい値段でお願いできればと。