アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

ちょうど最終章を読んでいて、今日中に読み終わるかなあと思っていたところに、クラークの訃報が。まいったな。
タイトルを『地球幼年期の終わり』と記憶していたので、最初に読んだのは創元文庫だったのだろう。「未来の記憶」という概念に感動したのを憶えている。
この版には、「本文中に示された見解は、著者個人のものではない。」という但し書きがある。こういうことを書かなきゃならないというのは、悲しいことだと思う。超能力などのいわゆる超常現象を、フィクションの道具として楽しむのではなく、信じてしまう一群の人々(と、彼らを利用する人々)が存在するという現実には、人類はオーヴァーマインドどころか幼年期すらほど遠いところに留まっているのだなあと思い知らされてしまう。