萩尾望都パーフェクトセレクション『半神』

半神 自選短編作品集　萩尾望都Perfect Selection 9 (フラワーコミックススペシャル)

まず「半神」があり、「イグアナの娘」と続く。この2つはもう何度も読んでいるのでいいとして、次の「天使の擬態」は、たぶん雑誌に載ったのを読んだだけだと思う。
よしながふみが、萩尾作品のいくつかは、わかっていると思って読んでいても、最後まで来るとわからなくなっていることに気がつく、というようなことを言っていたが、「天使の擬態」や「学校へ行くクスリ」もそうなのかも。ストーリーが破綻しているわけでも論理的じゃないわけでもないのだけど、最後のほうで「あれっ？」と思ってしまう。それでまた最初から読み直してみると、わかった気になって…。だからこそ、何度でも読めてしまうのだけど。

「カタルシス」は初めて読んだけど、主人公が置かれている状況が今の自分に似ているので、身につまされるなあ。君のためを思って、なんて言いながら実はこちらの事情など全然理解していなくて、ただそうすることで外面が保てそうだからそうしているだけ。という自覚すらないというのがまた、たちが悪い。