山上たつひこ『天気晴朗なれども日は高し』

この巻は、時代劇シリーズ。意外に既読のものが多かった。「忍法天地真理!」「忍法桜田淳子!」のくだりは、やっぱり面白いなあ。
「鬼刃流転」は、単行本を持っている。くびれのない二頭身キャラのこの時期が、絵もギャグも洗練されていて一番好きだったりする。
しかし、この「鬼刃流転」で、少女が無自覚に自らの性器をさらしているというギャグのところでは、肝心のところにモザイクがかかっている。前述の単行本ではそのものズバリが描かれていたはず。本来この描写は、家父長制封建主義社会における抑圧に基づいたポルノグラフィーなどではなく(しつこいな、オレも)、描かれるべきものが描かれていてこそ成立するギャグなのだが。他の短編では修正されることなくちゃんと性器が描かれているので、たぶん児ポ法を懸念しての処置だと思われる。それにしても、無粋よのう。
パンチザウルスが廃刊になるという内輪ネタで終わっているが、若い読者には何のことかわからないだろうなあ。