Perfume First Tour 「GAME」@Zepp Tokyo

極端にネタばれしない程度に予め情報を収集しておいたので、ほぼ完璧な計算で進行できた。
開場前にグッズの先行販売があるので、3時すぎに会場に到着。この時点ですでに500人くらい並んでいたと思う。4時半には販売を終了するとのことだったが、その10分くらい前に買うことができた。もろもろ購入して、一休み。にしても、次から次へと行列に加わってくるので、物販難民が多数発生したはず。時間切れで買えないのは明らかなのに、なぜ並ぶのか。
整理番号がわりと良かったので、まだガラガラな状態の会場に入ることができた。ステージを俯瞰して見たかったので、PAの横の一段高くなっているところに陣取る。前方のフロアにいる観客たちよりも頭2つぶんくらい高い位置だったので、ステージが丸見え。作戦成功。ただし、開演までまだ1時間あったので、その場所で立って待っていなくてはならなかったが。スタンディングのライブで整理番号のとおりに入場したのは初めてかも。それにしても、他のライブハウスでもこんなに観客の密度が高い状態は見たことがない。
オープニングが「GAME」で、アルバムのジャケットにも使われているライトセーバーのようなものを使ったパフォーマンスがすごいという話は聞いていたが、これほどとは。想像のはるか上を行くかっこよさで、ちょっと涙が出た。ステージの後ろには3つのスクリーンがあって、曲のときにはイメージ映像が、トークのときにはメンバーのアップが映る。このスクリーンに映る映像が、主張しすぎていなくて効果的だった。
着替えタイムのBGMは、「Butterfly」のインストゥルメンタルバージョン。元々ボーカルのパートが少ない曲とはいえ、アレンジはなかなか良い。このバージョンの音源が欲しいものだ。
ポリリズム」はもうフルバージョンがデフォルトなので、ポリループの部分も堪能できた。しかし、何度見ても、あの部分の振り付けに頭がついていかない。
椅子を使った「Take me Take me」のパフォーマンスは、本当にエロかった。性欲減退アイドル、なんて呼んでいたのはどこのどいつだ。曲の雰囲気を活かした扇情的かつ挑発的でありながら決して色気過剰ではないパフォーマンスは、これぞテクノロジーに基づいたポルノグラフィーであり、搾取-被搾取の倒錯した関係性を露にする、テクノポップとダンスとの必然的婚姻である。と、バラードならそう言うね。
「マカロニ」では、『GAME』初回限定版のDVDに収録されている、3人それぞれのバージョンのPVが背後のスクリーンで再生されていた。これはいい演出だった。
「セラミックガール」の「ガガガ」の部分はああいう振り付けだったのか。今までにないパターンで、面白い。
トークは例によって強烈で、曲とダンスを(いい意味で)台無しにするユルいgdgdさがたまらない。それに、3人とも本当に客あしらいが上手くて、あやかりたいものだ。
アンコールは、ルーレットでランダムに3曲を選び、さらにその中から1曲をメンバーがじゃんけんで決めるシステム。これが「引力」で、この曲の動画はひとつしか見たことがなかったので、ラッキー。
終演後に客電がついてから、掟コールが。掟ポルシェは二階席からちゃんと応えてくれて、つくづくいい漢だなあ。
それにしても、アルバム、ライブ、グッズの統一感と、ホスピタリティの品質の高さは素晴らしい。このツアーはスポンサーがついているから資金が潤沢だったのかもしれないけれど、去年の年末あたりから、このツアー(と、武道館も含めて?)に至るまでの企画とストーリーはすでに練られていたのかもしれない。
ところで、ライブでの他の観客の会話や前後の日に友人達と話した内容からすると、各媒体への露出も増えてセールスも好調とはいえ、まだまだ消費し尽くされてはいないという印象を受けた。Daft PunkUnderworldマッシュアップだ、なんて言っていたのはつい半年くらい前のことだが、もはやそんな表現は的外れなだけではなく素朴にすぎるだろう。
曲・ダンスとトークとの温度差、ロゴを前面に押し出したりむやみに顔を露出したりしないハイセンスなグッズとアートワーク、DJ IKZOとのコラボが自然発生するといった現象を見ていると、大げさな言い方だが、ポスト消費社会におけるエンターテインメント産業の可能性のひとつがここにあるのではないかとさえ思える。これはぜひDVDを出してほしい。もし出さないなどということになれば、国家的損失であると言っても過言ではない。
終演後、ボールペンがもらえるとのことなので、持っていなかったシングルを購入。ボールペンは、黒2種類と赤、青のノック式で、意外に実用的。これは普通にいいものだ。

コンピューターシティ

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