COCO『今日の早川さん』2

今日の早川さん 2 (限定版)

今日の早川さん 2 (限定版)

とりあえず限定版を買った。文庫本カバーとしおりがついている。
どっちもたぶん使わないけど、しおりは薄くて丈夫な良い素材を使っているようだ。主要キャラクターの絵柄で5枚あり、もし実際に使うとしたら、本のジャンルに合わせて使うという遊びもできる。最近はラノベも読むから、富士見さんのも使えるぞ。新書やノンフィクションは誰のにすべきか迷うところだが。
カバーは滑りにくい素材でできていて質感もいいものの、ハヤカワ文庫で現在のところ(たぶん)最厚記録をもつ『啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)』が収まりきらないという、致命的な欠点がある。
内容は、1巻よりもマニア度が減ってやや薄味になったというか、SFやホラーの読者以外の層にもわかりやすくなったんじゃないかな。ネタの解説文も減ったし。個人的には、もっと突っ込んだ内容のほうがよかったんだけど、読者層の裾野を広げるという意図がもしあるのならこれでいいのかも。あと、音楽ネタも少なくなった。それでも、早川さんちの本棚に並んでいる本の背が主に水色だったり、腐女子度が上がっていったりするところは面白い。
ひとつだけ非常に残念なところがある。「ディファレンス・エンジン」と「ニューロマンサー」が同じページに並べられているのはネタとして面白いのだが、「ニューロマンサー」で早川さんは「新しいロマンス」という発言をしているのだ。作者および早川書房がまさかこんなミスをするとは思えないので、早川さんの勘違いまたは洒落であるというフォローがあるべきなのでは。富士見さんの最後の一言がそれだとしても、ちょっと弱いし、原題を知らない読者にはちゃんと伝わらないだろう。