電気式湯沸器

今まで茶や珈琲などを淹れたり即席拉麺を調理したりする際には水を入れた鍋を瓦斯の火にかけて湯を沸かしていたのだが軽金属製の鍋では効率が悪くまた水の量を正確に計量するわけではないのでやや多目の量を沸騰させることになり余剰した湯はただ下水として捨てるのみで仮令数時間後に再び湯が必要になったとしてもその時には既に熱は周囲の空気に奪われて湯は常温の水に戻っているものでまさに繰り返すこの鍋湯沸かしとでも言おうかこれは資源と瓦斯料金の甚だしい無駄遣い以外の何ものでもないため電気式の湯沸かし兼保温器を求めて物色したところ丁度良い容量のものがあったがさらに千円程度を追加するだけで魔法瓶即ち二重構造の内部を真空にした硝子瓶の層を設けることによって保温効果を高めた製品が手に入ることがわかり当然ながらこの構造は消費電力を更に数分の一に抑えられるので従って数年も使用すれば差額を回収できることになり費用対効果はこちらのほうがより高いに相違ないと考えていたところに電力線を接続せずとも給湯が可能という機能を有した製品を見つけたもののこの場合は更に数千円を上乗せしなければならずまた単に給電している状態で使用すれば解決することであるのでこの機能は却下して先ほどの製品を贖った次第であるが久しぶりに所謂白物家電製品の売場を物色するというのも新鮮な気分が味わえてよいものだ。