弐瓶勉『BLAME!』1

BLAME!(1) (アフタヌーンKC)

BLAME!(1) (アフタヌーンKC)

バイオメガ』が気に入ったので、読んでみた。これもなかなか良い。
人物や物体が運動する際の途中経過のコマを省略するという表現手法がところどころに用いられており、いわば表現の不在によってスケール感や重量感を表現するということに成功している。また、省略されたコマにおける力学を、その前後のコマから想像するという楽しみも生まれる。
巨大構造物というのは、それ自体がSFマインドを刺激するものではあるが、世界観や雰囲気がそれなりにちゃんと構築されていないと醒めてしまう。だが今のところ、その点は問題なさそう。
しかしこの作者は、『バイオメガ』でも感じたのだが、ネーミングのセンスが良いのか悪いのか判断に困る。「樹管帯」や「塊都」といった言葉はなんだかワクワクする雰囲気を持っているのだが、「生電社」や「脳髄技師」はちょっとイマイチな感じ。
まあとにかく、このシリーズは大人買いして全部読むことにする。