永井豪『真夜中の戦士』

真夜中の戦士 (シリーズ昭和の名作マンガ)

真夜中の戦士 (シリーズ昭和の名作マンガ)

これのオリジナルは筒井康隆の『'74日本SFベスト集成』で初めて読んだ。この集成には諸星大二郎の「生物都市」も収録されていて、おれの漫画の嗜好に大きな影響を与えてくれた。
本書では長編版がメインで収録されており、未完だということは知っていたが読んではいなかった。でもこの第1部の終わり方なら、続きはなくてもまあいいかな。
アンドロイドのほうが生身の人間よりも人間らしいというのは、『デビルマン』その他の永井豪作品に共通するテーマのように思う。「ロボット工学三原則」という用語を出さずに、ロボット(アンドロイド)は人に危害を加えられないという説明をしなければならないのは、当時のSF事情によるものか。
オリジナル版も併せて収録されているが、長編版の誕生編第1章に比べてページ数がぐっと少ないとはいえ、読み切り短編だから密度が濃くてテンポもいいので、オリジナル版のほうが好みだ。