相対性理論『ハイファイ新書』

ハイファイ新書

ハイファイ新書

サンプル音源もPVもいっさい視聴しないよう我慢してから聴いたが、これは期待以上の出来。
全体がおおむねギターポップだった『シフォン主義』よりも音楽的な幅が広がって、曲ごとに異なるジャンルを採用しているかのよう。それでもバンドとしての統一感があるのは、詞の世界観とボーカルの所以だろう。そしてなんといっても、このアルバムはエロい!
ラストの曲「バーモント・キッス」の出だし「わたしもうやめた 世界征服やめた/今日のごはん 考えるのでせいいっぱい」という詞は、どことなく明智抄の漫画を思わせる。世界征服をたくらむような人間にも日常生活は存在するし、逆に日常で手いっぱいのように見える人が実は世界を牛耳っているのかもしれない、というスケール感が。