楳図かずお『洗礼』

洗礼 1 (ビッグコミックススペシャル)

洗礼 2 (ビッグコミックススペシャル)

洗礼 3 (ビッグコミックススペシャル)

これも何度も読んでいるけど、この版で打ち止めにする。
『漂流教室』と装丁のコンセプトが似ていて、おおまかなエピソードの傾向で紙の色が変わる。また、ストーリーの大きな括りで巻を別けているので、ページ数が巻によって大きく異なる。正直なところ、そこまでしなくてもと思ってしまうが、例によって扉絵やカラーも再現されているので、総じてOK。
最初に読んだときには子供だったし最後のアレで愕然としたものだが、重大なヒントが1巻の半ばで早々に提示されていたことに気がついた。まあこういう叙述トリックにはすぐひっかかるたちなので、仮に今初めて読んだとしても、騙されただろう。
恒例の談は養老孟司なんだけど、今どきこんな紋切り型で時代遅れの意見を聞かされてもなあ。読んではいたかもしれないけど、それほど思い入れがないことはバレバレだし。編集側としては、唯脳論的な切り口で語ってくれることを期待したんじゃないのかな、と邪推。