つげ義春コレクション『紅い花/やなぎ屋主人』

つげ義春コレクション 紅い花/やなぎ屋主人 (ちくま文庫)

つげ義春コレクション 紅い花/やなぎ屋主人 (ちくま文庫)

いわゆる「旅もの」がメイン。このシリーズは、テンポが緩やかだし登場人物や周囲の状況がのんびりしているように見える反面、実はものすごく情報量が濃縮されているのではないかと思う。例えば「ほんやら洞のべんさん」では、「母ちゃんはどうしているかな」「ナンミョーホーレンゲキョ」というたった1コマで、それまでの物語のあらゆる背景を説明してしまっている。
「紅い花」を最初に読んだときに、花が本当に紅く見えるのがすごいと思ったが、やはり今回も紅く見えた。
あと、後半に出てくるニヒリストの人が好きだ。