逢空万太『這いよれ!ニャル子さん』3

這いよれ! ニャル子さん 3 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 3 (GA文庫)

出だしの数行を読んだだけでああこれは夢オチなんだろうなあと思ったらやっぱりその通りなんだけど、見え見えの展開にもかかわらずこちらの予想の上をゆくギャグの濃密さで、もう序盤からお腹いっぱい。
「宇宙CQCジャマー」ときたら次には「宇宙CQCジャマーキャンセラー」がくるのは理の当然で、放映時には誰もが心の中で突っ込んだであろうこのテクノロジーの無効化のエスカレーションを臆面もなくギャグにしてしまうノリの良さがいい。と同時に、これだけの力技を繰り出せるというころにやはり作家としての将来性を感じる。
どうでもいいことだが、三人組が買い物に行ったビルは、ジュンク堂が入っている丸井今井の隣だろう。おれがこの本を買ったのもそのビルの店だったりするので、なんだか可笑しかった。
あと、今回はやたら懐かしのゲーム機の名前が出てきた。うちの3DOリアルは大切に押し入れにしまってあるが、確かにあれに頭をぶつけたらさぞ痛かろう。イラストにちゃんと描かれているのもいい。
しかし、キスシーンでこんなに笑ったのは初めてだ。不満があるとすれば、シャンタッ君の出番が少なかったことか。