珠玉の名作アンソロジー1『家族の情景』

萩尾望都吉田秋生の以外は初めて読む作品ばかり。
全体的に、「珠玉」というほどではないかな。家族というテーマから焦点がぼやけているのがあるし、一部の作品を除くと、軽すぎて物足りない。
そんな中で吉野朔実はさすがだなあと思うが、逆に個人的に吉野朔実を避けがちな理由もわかった。このテンションの短編がずらりと並んでいるところを想像すると、重厚すぎてむしろ息苦しさを感じるのだ。こういうアンソロジーの中のひとつとして読むぶんにはいいのだが。
まあそういうわけで、軽いと言ったり重すぎると言ったり我ながら自分勝手ではあるが、このシリーズはちょっと微妙かもしれないなあ。揃えるかどうかは、次の『出会いと別離』を読んで決めよう。