コンタクト
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2009/11/03
- メディア: Blu-ray
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なのでオープニングは初めて観たわけだが、これはいい。CGが本格的に映画に使われ始めたのがこの頃だったと思うが、これは今でも素直に「おおっ」と思える出来。当たり前だけど、CGは派手で見栄えがするのがいい、というわけでは決してないということの証左だ。
『2001年宇宙の旅』『2010年』はもちろん、いろいろなSF映画や小説へのオマージュがあちこちにちりばめられている。主人公が異星文明のテクノロジーによるマッシーンに乗って旅をするくだりもギブスンの短編「辺境」を連想させて、個人的には好きなシーンだ。北海道の家屋の床の間には鏡餅が年中飾られているという独特の風習も、忠実に再現されている(これはウソ)。
まあ映画だからSF的・科学的考証の細かいところには突っ込まないが、ひとつだけこれは違うだろうというのがある。最後のほうで、公聴会を終えた主人公を民衆が歓迎するところだ。「証拠がない」「自分の経験を信じろとは言えない」という発言が、額面どおりに受け入れられるはずがない。昔も今もそしてこれからも、哲学的相対主義と科学的客観主義に基づいた発言を、大多数の民衆が公正かつ論理的に判断して評価するということは絶対にない。カール・セーガンは民衆はそれほど愚かではないという信念を持っていたようで、それが尊重されているのかもしれないが。