山上たつひこ『快僧のざらし』上

快僧のざらし 上

快僧のざらし 上

初めて読んだのは忘れもしない、「海がわたしを招くのじゃっ!?」の巻だ。それまでわりとかくしゃくとしていた祖母が急に亡くなって、通夜のときに歳の近い従兄弟が持ってきたチャンピオンのこの号を皆で読んで大笑いしたので覚えている。まあ今にして思えば不謹慎ではあるのだけど、当時はもう小学校高学年だったので死というものの概念は理解していたはずだが、祖母が亡くなった悲しみよりも、従兄弟たちに会えたことと大人たちに混じって大手を振って夜更かしできるという状況に興奮していたからだと思う。
そんな思い入れもあるせいか、この回はやはり図抜けて面白い。小学館クリエイティブはそれはもうすばらしい出版社で特に編集の一分の隙もない仕事ぶりには定評があるわけで、下巻もきっと期待できることであろう。
そういえば、とっくに出ているはずの「ひばりくん」の3巻はどうなったんでしょうかねえええええええ?