ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』1

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

そりゃ三十年以上もマンガを読み続けていれば、カバー絵を見ただけで面白いかどうかの判断はある程度出来る(キリッ。で、このカバー絵は絶対当たり、とオレのマンガ者としての本能が告げていたのだが、いやまて「I」と書いてあるぞ。これでもしつまらなければ2巻が出たときに悶々とすることになるぞと逡巡していたところ、リーブルなにわで最初の10ページほどを試し読みすることができ、そのような杞憂は吹き飛んでしまった。
いやすごい熱いマンガだよこれ(風呂だけに)。画は決して上手いほうではないけれど、独特の泥臭さが古代ローマという時代背景によく合う。建築物や小物もリアルに描かれている。ルシウスは主人公にしては地味なキャラだが、却って彼の一途さが強調されていい。最後になって物語が風呂以外のことでも動き始めるという、ヒキ具合も憎い。
ということで、「II」が出たら絶対買う。