杉作J太郎『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』

応答せよ巨大ロボット、ジェノバ

応答せよ巨大ロボット、ジェノバ

「杉作獣太郎」のころから作者の漫画を読み続けていた。この小説はタイトルから窺える内容にしてもカバーイラストの雰囲気にしても、それら漫画作品とはかなり方向性が異なるのではないかというのが第一印象ではあった。だが根っこの部分には共通する何かがあって、それは男気だったり中二病的妄想だったり、他愛のない猥談で盛り上がるバカな野朗どもの友情だったりする。
けれどこの小説、最後の最後でまさかこうなるとは。誤解を恐れずにいえば、これはエンターテインメント小説というよりは純文学であり、またフェミニズム小説ではないか。
ちょっとした衝撃だった。