楳図かずお『神の左手悪魔の右手』

文庫で一度読んだだけだったけど、すっかり内容を忘れていた。しかしこんなすごい話を忘れるなんて、どうなってるんだ>おれ
第一話の「錆びたハサミ」からしてもうすごくて、ここまで描いちゃっていいの?と読んでるこちらが不安になるくらい。最終話「影亡者」なんかもう。こんな奇想があったのかと。
この連作を読んでみて、人間の想像力の極北を垣間見たような気がする。いわば世界観のトポロジーとでもいうべき構造における、入れ子構造やねじれという数学的にエレガントなパターンだけではなく、論理や言語だけでは書き表せない様相までをも漫画は表現できるのだという。この狂気すれすれの奇想が『14歳』でさらなる深化を見せたのだろう。
で、毎度のことだけれども、装丁が懲りすぎていてヒジョーに読みづらいのです。