山岸凉子スペシャルセレクションXI

妖精王 1 (山岸凉子スペシャルセレクション)

妖精王 1 (山岸凉子スペシャルセレクション)

『妖精王』も『アラベスク』みたいに完全版が出ないかなあと思っていたが、このシリーズで来たか。
作者のコメントによると、「TVゲームが出たとき、10年早すぎたと残念でした」とある。これはたぶんドラクエIIのことだろう。モンスターの造形やエンディングなんか丸パクリだものなあ。まあこの『妖精王』にしても、元ネタと思われる小説や映画などはいくらでも挙げることはできるけれど、ジャックとリンの関係や、以降の巻で出てくると思われる井ヒ鹿(「ヒ」はニスイに「氷」)の苦悩などは、いかにも山岸作品ぽい。
この巻には短編も2つ収録されている。「クッキーとレモンティ」はたぶん初めて読んだ。1970年かあ。デビューしたすぐの時期だものな。
ラプンツェルラプンツェル」は、角川の全集で読んだのかな。当時は題名の意味すら知らなかったけど、このへんの短編が、後の神話・寓話のシリーズのきっかけなのかも。