星野之宣『巨人たちの伝説』

LEGEND OF GIANTS 巨人たちの伝説 (ビッグコミックススペシャル)

あーこれはよく憶えてる。星野之宣を読み始めたのはまさにこのころだった。
当時は子供だったから素直に受け入れていたけれど、さすがに今読むと正直ツラいものがあるな。まあピラミッドパワーとかUFOだとかはSFガジェットとして認知されていた、というかむしろそのようなものが出てきてこそSF漫画、という時代だったものなあ。でも、この「巨人たちの伝説」あたりから筆圧の高い劇画調の絵から、硬質でクールな雰囲気になってきたのが、同様に地球寒冷化というアイディアを扱った「太陽惑星イカルス」と比べるとよくわかる。メカも直線的なデザインになってきて、シド・ミードの影響が窺える。
単行本初収録の「ホライゾン・パトロール」は、今まで単行本に入らなかったのはまあ納得できるというか、星野作品にしては珍しい雰囲気。この間読んだ『スターダストメモリーズ』に入っていた「ウォー オブ ザ ワールズ」くらいハジけていればよかったのに。