高橋昌一郎『感性の限界』
感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書)
- 作者: 高橋昌一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/04/18
- メディア: 新書
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これはテーマとしてはとても難しいんじゃないだろうか、「理性」や「知性」ならば、物理学、論理学、哲学などさまざまな分野において「限界」が存在することが証明されているが、「感性」の限界をどう呈示するというのだろうか。などと読む前に思っていたが、認知心理学、自由意志、実存主義といった分野から攻めてきた。なるほどなあ。
今回の登場人物はややペダンティックな傾向があるのか、雑学的な話題が頻繁に登場し、その多くは不覚にも知らないことばかりだったので、勉強になった。
また本書の中でも言及されているとおり、これらの議論は科学というよりはむしろ文学に近いと思う。実際、イーガンやチャンの作品のテーマに近い内容もあったりして、そういう意味でも楽しめた。
さて、はたして次の「限界」は何だろう?