佐藤史生『金星樹』
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2012/07/21
- メディア: コミック
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メカの描写を除いては、とても30年以上も前に描かれた作品群とは思えない。今読んでもじゅうぶんユニークで、むしろ新鮮に感じる。
「金星樹」なんて時間SFの大傑作だし、「花咲く星々のむれ」は後の『ワン・ゼロ』にも通じるところがある。「一角獣の森で」は、元になった「一角獣にほほえみを」よりもさすがに完成度が上がっている。
しかしなんといっても、「レギオン」がずば抜けて素晴らしい。己が己自身であるために真に必須なものがあるとすれば、それはこの作品に描かれているものである。