オブリビオン

久しぶりに映画を観ようかなと。トム・クルーズが出ている映画は駄作という図式がオレの中で出来上がっちゃっているのだが、時間的にこの選択になってしまった。
中盤くらいまでは、謎のちりばめ方や少ない登場人物で魅せる演出など、なかなかよかった。だけどレジスタントとしてこっそり隠れて生きている人類の生き残りが出てきたあたりから、一気に平凡なアクションヒーローものになってしまう。しかも過去のいろいろなSF映画のおいしいところだけを引っぱってきて適当にツギハギしたようなストーリー展開。だからトム・クルーズの映画は駄目なんだよな、などと思いながら、後半は我慢我慢。
あと、いつもは絶対にしないネタばれを今回はあえてしちゃうけどさ、安易にクローンを出すのはいい加減もうやめようよ。ある個体から複製された各クローンが同じ記憶を共有している理由を、合理的に説明できるもんならしてみろってんだ。
他にも矛盾点が多すぎて、とにかく辛抱辛抱。レジスタンスはなぜ60年もただじっと待っていたのかとか、人類の生き残り(実は敵の異星人)が海水を採取する理由とか。特に酷かったのは、フライトレコーダーのエピソード。オリジナルの主人公の妻が乗った宇宙船が不時着するのだが、そこにはフライトレコーダーが残っていた。だけど、記憶を取り戻した主人公の回想シーンではフライトレコーダーは操縦席にあり、彼は妻や他のクルーが睡眠状態で保存されている居住区のカプセルだけを切り離して、自らは異星人によって操縦席ごと破壊されていた。だから不時着したのはその居住区なわけだけど、フライトレコーダーはいつ居住区に移された?それとも、操縦席と居住区とに2つあった?あれ?今気がついたけど、主人公が死んだときの記憶をクローンはなぜ持っている?
あと、字幕に「D睡眠」という言葉が出てきたのだけど、これってもしかして「deep sleep」のこと?セリフが聞き取れなかったので自信がないけど。だとしたら、もう少しマシな訳語があるよな。まっとうに「冷凍睡眠」でもいいだろうし。
まあとにかく酷い映画なので、どうしても観たければテレビでやるのを待つのがよろしい。