劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語

アニメはあまり観ないしましてや魔法少女ものなどほとんど興味はないのだけど、「ソラトニワ」で水カンのコムアイが絶賛していたので観てきた。テレビでも観てなかったし、予備知識ゼロで(Clarisが主題歌を歌っていることだけは知ってた)。でも却ってそれがよかったのかもしれない。
いやーこれはスゴいわ。何の警告もなしにこんなスゴいものを一般に公開しちゃっていいのかというレベル。今までにコツコツ積み上げてきたオレの中のささやかな文学観や映画観が音を立てて崩れた。
ストーリーはとても複雑で、一度観ただけでは完全には理解できなかった。この物語の構造そのものが物語を成立させているというメタな図式は、今までに読んだり観たりしたどの小説や映画とどこかしら似ているようでいてやはり違う。
ストーリーだけではなく、画もやはりスゴい。どこかしら大正デカダンスアウトサイダー・アートを思わせる意匠が多いが、オリジナリティは高い。
「書き割りのような」という表現がある。ちょっとだけネタバレになるけれども、この誰かの心の中にある現実ではない世界を描写するにあたり、決して二次元だけのあからさまな書き割りを描いたのではないにもかかわらず、「書き割り」感を見事に表現している。むうううう。これはもう一度観るか?しかしこれはかなりのエネルギーを消費するぞ。