Audirvana Plus

こういうソフトは使わないと書いた舌の根も乾かぬうちに、買ってしまった。
iTunesだけを使ってUDA-1からハイレゾ音源を出力するには、前にも書いたように「Audio MIDI 設定」で出力先をUSB DACにし、サンプリング周波数とビット数とを設定する必要がある。しかしこれだと、UDA-1がONの状態では常に音声の出力先がそちらになってしまうのと、CDのサンプリング周波数(44.1kHz)と一般に配布されているハイレゾ音源のそれ(48kHzとか96kHzとか)は異なるので、これを固定にしてしまうのはどうにも気持ちが悪い。音声の出力先については、メニューバーのスピーカーアイコンをoptionキーを押しながらクリックすることで選べるけれども、このひと手間が面倒な場合もあるわけで。
しかしこのAudiovirna Plusがあると、このソフトの起動時にUDA-1を接続しているUSBポートを握ってしまうが、UIの停止ボタンをクリックすることでUSBポートを解放することができる。もちろん音楽の再生も停止するが、このときシステムの音声の出力先はデフォルトのものになるので、これを予めディスプレイオーディオなどにしておけば、そちらから音声が出力されるようになる。
また、DVDやBlu-rayに収録されている音声は48kHzのものが多いが、「Audio MIDI 設定」の設定を48kHzまたは96kHzにしておいて、DVD/BD再生ソフトで出力先をUDA-1にしてやれば、ディスプレイのスピーカーよりも断然良い音で楽しめる。これで「Audio MIDI 設定」をいじる必要はなくなる。
Audirvana PlusがDSDの再生に対応しているとはいえ、UDA-1のDSDDACはDoPには対応していないので、Macからだとやはりネイティブな再生はできない。なので設定画面の「Native DSD Capability」を「Automatic Detection」にする必要がある。ここで「DSD over PCM standard 1.0」を選ぶと、当然ながら音が出ない。だからDSDを再生しているときにはAudiovirna PlusがDSD→PCM変換をしていることになるけれども、試しにWindowsマシンでASIOで再生したのと違いは聴き取れなかったので、ヨシとする。
DSDといえば、これもやはり音源をiTunesで管理したいので調べてみたところ、ジャイアンのその日暮らしに書いてあるとおりにやってみたらあっさりできた。さらに欲をいえばUDA-1がDoPに対応してくれれば最高なんだけど……こういう機器の場合、ファームウェアのアップデートってできるのかなあ?できるとすればUSBメモリを使うことになるんだろうか。
不満な点を挙げると、USBポートが解放されないことがある。Audiovirna Plusだけを終了(command+QではなくUIのボタンを使えとあるのでそうしている。たぶんプロセスを終了する前にUSBポートを開放する処理を実行したいからかな)すると、iTunes単体で再生しても音が出ない。仕方がないのでiTunesを終了しAudiovirna Plusを再起動すると、今度はUDA-1から音が出ないときがある。このような場合にはUDA-1の電源を一度OFFにしてからまたONにするといいようだ。
また、長時間音を鳴らしっぱなしにしていると、Skypeの文字入力の反応が悪くなる。どちらもCoreAudioと関係がありそうだから、その絡みかもしれない。もしかすると、使っていないからわからないだけで、他の音声入力を用いるアプリケーションにも影響があるのかも?
まあ、Audiovirna Plus自体の動作は安定しているしやはり音質は劇的に向上するし利便性も高いので、しばらく使ってみる。


ところで、UDA-1と一緒に使っているスピーカーのSS-HA3のほうだけれども、低音が強すぎて(いわゆる「ブーミー」な音?)聴き疲れするようになってきた。部屋の間取りの関係で左チャンネルのスピーカーのすぐ後ろに壁があり、その反射音の影響もあるのかもしれないのと、スピーカーを置いている仕事机が安物なので天板が明らかに振動している。
スピーカーの下に10円玉を数枚重ねた定番の自家製インシュレーターを設置してみたところやや改善して机の振動はなくなったものの、やはりまだ低音が強い。そこで思い切って、スピーカーの背面にあるバスレフ孔をプチプチを丸めて塞いでみたところ、かなり聴きやすくなった。さらにプチプチではなく、きっちり巻いたタオルをギチギチに詰めてみたら、やっと満足できる音に。
こういった問題は、ハイレゾというよりはPCオーディオ特有のものだろう。広い部屋で堅牢なスタンドなりにスピーカーを設置して聴いているぶんには問題ないだろうから、実際に体験してみないとわからないことって多いなあ。かといってそんなにお金をかけるつもりもないので、こういうDIY感が楽しかったりもする。