小原愼司×トニーたけざき『星のポン子と豆腐屋れい子』

星のポン子と豆腐屋れい子 (アフタヌーンKC)

原作は別な人だけれども、これは久々のトニーたけざき。
でも、タイトルもカバー絵もユルめだし裏表紙にあるあらすじもやはりユルそうで、これはまるでドラえもん。でもでも、その裏表紙とカバーをめくった表紙のイラストがとてもダーク。『AKIRA』の、それも春木屋の雰囲気に近いぞ。
目次を見ると三話構成になっているようだ。で、第一話を読んでみると最後でガツンと。これはまさしくトニーたけざきだ！。原作がどの程度「原作」なのかはわからないけど、とにかくやりやがった！
結末がまた、大団円ではあるけれどもハッピーエンドといっていいのかどうか。この居心地の悪さがまたたまらない。トニーたけざきならではの、今どきの漫画にしては珍しい描き込みの密度(あるいは「粘度」)とスピーディーなストーリー展開。
これはやや地味ではあるかもしれないけれども、ちょっとした問題作なんじゃないだろうか。