弐瓶勉『シドニアの騎士』12

シドニアの騎士(12) (アフタヌーンKC)

シドニアの騎士(12) (アフタヌーンKC)

画がもうほんとにスッカスカで。後期の『ナウシカ』かと。
今までと違って、わりと説明をしっかりやるという方向性はそれはそれでいいと思うけれども、奇居子の設定がどんどん後づけされていくというのはいかがなものか。
他にもこの巻にはいろいろと欠点がある。まず、「特殊加速」や「ガウナ学」といった造語の手抜き感が残念すぎる。たとえ滑っていても、独特なネーミングセンスが好きだったんだけどな。もう一点、全長723メートルという新造戦艦「水城」が、楔形で後方にメインエンジンを配置してあるというデザインは、漫画表現としてアリだと思う。だけど、この戦艦が「特殊加速」するときに、背景の恒星が流れるような描写はオレ個人としては許容できない。今のストーリー上の舞台はある恒星系の範囲内なので周囲の恒星が流れて見えるほどの距離を移動するわけではないだろう。仮にこの世界が超光速を許すという設定だとしても。
……これからどうなるんだろう(ワクワクする、的な意味ではなく)。