公開最終日にギリギリで。
これはまたストレートな邦題だ。原題は"We Are What We Are"で、まあ確かに直訳してもそそられないけど、この原題を頭に入れてから映画を観るとああなるほど、と。ググってみたら、"We are what we ate"という英語の言い回しもあるそうで、ヒネリが効いている。
ということで、この映画は想像していたような肉肉しいアレなだけの作品ではなかった。雨や川といった水の描写にこだわるというのはありがちではあるけれども、映像美としても楽しめたし、姉妹のルックスや雰囲気の良さ、特に妹役の子がよかった。
脚本もよく出来ていて、この事件がなぜこのときに起きたのかということにもちゃんと理由があるし、時を数百年も遡ったところにこの一家の因縁があるという伝奇的な一面もあって、アメリカン・ホラーの系譜に連なるある意味正統派なゴシック映画なのだった。
さらに、人肉食そのものはもう観る前からバレバレだけれども、あからさまには言及されないまた別な背徳的な面がこの一家にはありそうなことが仄めかされていて、姉妹の容姿とも相まって、そっちのほうでドキドキしてしまった。